「課題の分離」2020年05月30日 22:53

私がコーチングの中で大切に考えている物の一つに
『アドラー心理学』
があります。

今日はその中で
「課題の分離」
という考え方を紹介します。

一言でいうと「自分の課題」と「他人の課題」を分離して考えて
「他人の課題」に関してはどうにもならないことだと認識しましょう
という事。

他人の行動や考え方、自分に対する評価や態度は自分ではどうすることもできないんです。

例えて言うと降っている雨に対して
私が泣こうが喚こうが攻撃しようが、降っている事は変わらないんです。

変わりもしないのに雨が降ることに関して文句を言ったり嘆いたり
祈りを捧げても労力と精神力がもったいないじゃないですか。

それならば外出予定を取り止めるなり、傘をさすなりして自分が濡れない方策を考えるでしょ?
むしろ濡れないようにタクシーで行けばお金はかかるけど時間的には余裕ができて良かった!
あわよくば傘やカッパを売ってお金儲けしちゃえ!
とかとか、自分でできることを考えて実行して
少しでも被害を少なくして、なんなら自分の利益にしちゃえって事なんです。

他人や環境を変えよう、自分の思い通りにしようと思うと、大変な労力と精神力を使っても上手くいかない事が殆どではないですか?
(あなたが余程の権力や経済力を持っていれば別かもしれませんが。)
それなら自分の考え方や受け取り方を少し変えてみたらどうでしょう。
そうして新しい行動を起こしてみるんです。

もしかしたら相手の対応や印象も変わってくる事があるかもしれません。

私の経験では
どうしようもなく強烈なクレーマーに対して、こちらの正義を突き付けて屈服させようと頑張ったことがありました。法的にも道義的にもこちらが正しい(と思っていた)んだから。
そしたらクレームは増すばかり、相手の態度は硬化するばかり。
しかし、こちらの思いや主張をぶつける事を止めて、相手の主張を一通り聞く事を心掛けたところ、相手の態度が軟化して今では雑談電話がかかってくる間柄です。
先方が言うには
「私は何も変わってないわよ。あなたの態度が変わっただけよ。」と。

相手を変えることを諦めて自分が少し変われば、私の周りの環境(クレーマーの態度)も違って感じることができるかもしれません。


コーチングセッションの中では
『自責』(自分の責任)と『他責』(人のせい)に分けて
自責の部分にスポットを当ててお話を聞いていきます。

「部下が全然使えなくて・・・」
→「私が部下をうまく使うにはどうなれば良い?」

「監督が全然俺のことを評価してくれないんだ」
→「監督は俺にどういう選手になってほしいんだ?俺はどうなりたい?そのためにどうする?」

といった具合に考えていきます。