怒りの感情2020年07月15日 08:20

「怒りの感情は
  人と人を引き離す感情である」
     
       『勇気はいかに回復されるか』より 

精神科医であり心理学者でもあるアルフレッド・アドラー。
彼の書いた本からの抜粋です。

誰かが失敗したとき、怒りに任せて
叱りつけ、怒鳴りつける人がいます。

怒る人は大抵の場合、怒られる側より上の立場(上司、先生、親)ですが
その怒りは自分の思い通りに行動しない下の立場の人への怒りと考えていいと思います。
「なんで私の言った通りに出来ないんだ!?」
「なんで私の教えた事ができないんだ!?」
「なんで私の邪魔をする(評価を下げる)んだ!?」

その時の感情は
相手が何を考えて、何を判断してそういう行動に至ったか
といった事に関心はなく
自分本位の自分中心の感情なんですね。

このような怒りが建設的な何かをもたらす事はなく
むしろ人と人との距離を遠ざける事になるとアドラーは言っています。

相談した上司、先生、親に頭ごなしに怒鳴り散らされたら
次もまた困ったときに相談しようと思いますか?

これからは相談せずに抱え込む事になりますよね。


自分の行動に対して大上段からから全否定する
上司、先生、親に対して
「報告・連絡・相談」しようと思いますか?

私なら何をするにしてもコソコソ隠れてやるようになるでしょう。


もし、部下や子供、生徒に対して適切なサポートをしたいのなら
両者の距離を遠ざける『怒り』ではなく
両者の距離を近づける『対話』をもって接してください。


自分が怒られる立場だったらどうしましょう?
「あぁ、この(怒る)人は感情を私にぶつけてるだけで
 改善することを考えていない可哀そうな人(上司・先生・親)だなぁ」
と思ってあげてください。その方が精神衛生上良いと思います。
その上で自ら考えて可哀そうなその人を怒らせないよう工夫して
自らの行動を改善してあげましょう。(ここでコーチングが活きます!)

そう考えることが出来れば、自分が指導的立場になった時
自分自身が「可哀そうな指導者」にならずに済むという効果もあると思います。

そんな偉そうなことを言っている私ですが
仕事の上では冷静で他人を感情で怒鳴りつけることはまずありません(ポーズとして「みんなの前で怒るけどゴメンね」といって敢えて怒る事があります)が
自分の子供に対しては・・・感情的に怒る事があります。

まだまだ未熟な「可哀そうな親」ですね。